インナーマッスルを重点的に鍛えることで、姿勢を改善し、痩せやすい体に導くことができるピラティス。 初心者から上級者までさまざまなレベルのポーズがありますが、これからはじめてピラティスをはじめるという方は、まずは基本動作と呼吸の方法をしっかりとマスターしておきましょう。 今回は、ピラティスの基本動作と呼吸のコツについて詳しく解説していきます。
ピラティスの基本動作とは
ピラティスはもともと、リハビリを目的として考案されたエクササイズメソッドのため、基本的には性別や世代を問わず誰でも行うことができるものです。 とはいえ、ピラティスは呼吸法と合わせて正しい方法で行う必要があり、初めての方にとっては混乱してしまうこともあるでしょう。 頭で考えてもなかなかできるようになるものではないため、まずは「Cカーブ」と「ピラティスハンドレッド」と呼ばれるピラティスの基本動作2種類をマスターするのがおすすめです。 ピラティス初心者の方はもちろん、既にピラティスを始めている方も定期的に復習をして、正しくできているかチェックしてみると良いでしょう。 Cカーブ Cカーブはピラティスの基本姿勢のひとつで、「インプリントポジション」とも呼ばれています。 通常人間は骨盤から背骨までがアルファベットのSのような形を描いていますが、Cカーブでは腹筋を意識してお腹を凹ませながら背中をのばしてアルファベットのCの形を描くのが特徴です。 ポイントは、お腹を凹ませる力を使いながら骨盤を手前に引き寄せること。 この時、腰は床に押し付けるイメージで背中全体に隙間がない状態になります。 ピラティスハンドレッドピラティスハンドレッドは、ピラティスを代表する基本エクササイズのひとつで、脇腹の筋力を鍛えてお腹を引き締める効果が期待できます。 では、ピラティスハンドレッドの方法を詳しく見ていきましょう。 ① 仰向けで寝て、両手は手のひらを床につけて体の横へ置き、足は膝を曲げた状態になります。このとき、膝の間と足の間を握り拳が1つ入る程度あけておきます。 ② 腰と床の間は手のひら1枚分あいているのがポイントです。 ③ 鼻から息を吸い、口から息を吐きながら両方の足を持ち上げ、爪先から膝までが床と並行になるようにします。このときにも腰のスペースはあけたままです。 ④ 鼻から息を吸い、口から息を吐きながらカールアップ(みぞおちを背骨の方に引き込む)します。 ⑤ 両腕を床から10センチほど持ち上げ、吐く息5回で手を上下、吸う息5回で手を上下に動かします。これを10セット合計100回行います。
ピラティスの呼吸とポーズ
ピラティスのエクササイズ効果を高めるためには、ポーズと呼吸の両方が正しい方法で行われている必要があります。 ヨガの呼吸では副交感神経を優位にする腹式呼吸が用いられますが、ピラティスでは交感神経を優位にする胸式呼吸が使われます。 鼻からゆっくりと息を吸い込み、口から細く長く息を吐き出すのが特徴で、吸い込んだ酸素によって肋骨の内側が膨らみ、その肋骨を閉じるようにして息を吐き出すというイメージです。 この呼吸法に合わせて流れるような動きでポーズを行うのですが、ピラティスを始めたばかりのビギナーの方には、ポーズを意識するあまり呼吸が止まってしまうという方も少なくありません。 そのようなときには、まずは呼吸だけで練習をしてマスターするのがおすすめです。 また、トレーニングジムなどでインストラクターから呼吸とポーズの合わせ方について、コツを教えてもらうことも、効率的にピラティスの呼吸とポーズをマスターする方法のひとつでしょう。
基本動作の次に覚えるトレーニング
ピラティスの基本動作をマスターしたら、少しずつできるポーズを増やしていきましょう。 ここからは、基本動作の次に覚えたい基本のトレーニングについて詳しくご紹介します。 ロール・オーバー ロール・オーバーはお腹や背中の引き締めに効果が期待できる基本トレーニングのひとつです。腰部分に負荷がかかるため、腰痛などがある方は医師に相談してから取り組みましょう。 ① 仰向けに寝て、両足を天井に向かって持ち上げます。 ② 息を軽く吸って、吐いてCカーブを作りながら足を頭の向こうまで持っていきます。 ③ 足が床についたらかかとを開き、足首を曲げて爪先を自分の方向に向けます。 ④ 足を床から離し、息を吐きながら元の位置に戻ります。 ①〜④の動作を繰り返します。 バックエクステンション バックエクステンションは背中を重点的に鍛えたい方におすすめの基本トレーニングです。 ① 床の上にうつ伏せに寝ます。 このとき、腕は肩幅よりも少し広く、手のひらを下に向けて肘を曲げた状態です。 ② 鼻から息を吸いながら、頭の先からみぞおちあたりまで斜めに体をもちあげます。 このとき、肩甲骨を腰の方に引き下げて胸を軽く広げるのがポイントです。 後頭部から首の骨、背骨上部までがなめらかにカーブすることを意識しましょう。 ③ 口から息を吐きながら、みぞおち、胸骨、鎖骨、顎の順番でゆっくりと体を床につけていき、①の姿勢に戻ります。 流れるような連続的な動きによってインナーマッスルを鍛えるピラティスは、はじめての方にとっては難しそうに思えてしまうものです。 自己流で間違った覚え方をしてしまうとトレーニングの効果が落ちてしまったり、身体を痛めてしまうことも。 基本動作などを正しく覚えるためには、まずは教室などでトレーナーから習うことも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。