ピラティス×ボディメイク お役立ちコラム

ヨガとピラティスの違いは? どんな効果がある? わかりやすく解説します

2021年07月12日

美容や健康を目指す人に人気のヨガとピラティス。いざ始めようと思った時、どちらにしたらよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。その違いは? 共通点はあるのでしょうか? ヨガとピラティスの起源や目的、やり方、効果など、その違いや共通点などについて説明します。

ヨガとピラティスの違いとは?

ヨガとピラティスを同じものと捉えている人は多いのではないでしょうか?
しかし、紀元前2500年頃のインドで生まれたと言われるヨガと、1900年代にドイツ人が考案したとされるピラティスとでは起源の時点で大きく異なります。ヨガはその歴史から修行法という側面があるのに対して、ピラティスにはそういった面はなく、あくまで健康法として存在しています。
ただ、ピラティスはヨガも参考にして作られています。なので似たポーズが用いられるなど、共通する部分もあるのです。

それではヨガとピラティスでは具体的にどう違いがあるのか、その起源や目的、効果などいくつかの項目に分けてご紹介していきましょう。

ヨガの目的や効果など

まず、ヨガについて項目別にご紹介します。

起源

ヨガの歴史は古く、紀元前2500年頃、古代インド発祥と言われています。その根拠として、インダス文明時代の遺跡から瞑想や坐法を思わせる像が発掘されています。その頃から様々な思想や宗教の中で、ヨガは修行法のひとつとして行われてきたと考えられています。その後、12~13世紀に「ハタ・ヨガ」が誕生したことで、現代で実践されているヨガのポーズ「アーサナ」が確立していきます。

目的

もともと修行のひとつとして始まったヨガですが、「アーサナ」と呼ばれるポーズと呼吸法、瞑想で心身が安定した状態を目指すことが目的です。ダイエットや筋力アップを期待して始めた人も多いかもしれませんが、瞑想によって精神面へのアプローチを大切にしていることがヨガの本質と言えるでしょう。

内容

ヨガでは「プラーナーヤーマ」という、全身の気(プラーナ)の流れをコントロールする呼吸をします。呼吸と心、プラーナのつながりを意識して行います。ヨガの中でも様々な呼吸法があり、基本は鼻から吸って鼻から吐く鼻呼吸で行う「腹式呼吸」。横隔膜を上下に動かし、意識した深い呼吸を繰り返します。コントロールされた呼吸(プラーナーヤーマ)をしながらヨガのポーズ(アーサナ)をキープし、瞑想を深めていきます。

効果

ヨガの腹式呼吸は副交感神経に働きかけて、自律神経の乱れを整えリラックス効果が生まれます。ホルモンバランスを整えたり、睡眠不足を解消したり、自律神経に関わるよい効果がたくさんあります。さらに、意識した呼吸「プラーナーヤーマ」を行うことで、心を呼吸に集中させてストレスなどから身体を解放します。精神面での効果のほか、身体の隅々、内臓にも働きかけて全身の機能を整えます。また、静止したポーズで行うことで、柔軟性を高める効果があります。

ヨガに向いている人

自律神経を整えて心身をリラックスさせるヨガは、精神の安定を求める人向き。仕事や人間関係などのストレスや悩みを解消したい人におすすめです。
また、基本は坐位ですが、立位や逆転、後屈など様々なポーズがあることが特徴です。上級者向けの本格的なポーズは、かなり身体が柔らかくなければできないものも。身体が硬く、筋力・体力がないと、長いポーズは厳しい鍛錬のように感じるかもしれません。もともと柔軟性のある人のほうがヨガに向いていますが、それでも「硬い体を何とかしたい!」という人は短いキープから始めるとよいでしょう。

ピラティスの目的や効果など

ではピラティスの方はどうでしょうか。起源などは大きく違いますが、ヨガと似たところ、参考にしたところもあります。

起源

ドイツ人のジョセフ・ピラティスが考案したエクササイズ。子どもの頃から病弱だった身体を改善するため、ヨガや禅など様々な健康法に取り組み、健康な身体を取り戻したことが始まりです。さらに第一次世界大戦で従軍看護師として従事した際、負傷兵のリハビリのために寝たままできるエクササイズへと発展。この時ベッドを改造して作った器具が、今ピラティススタジオで使われているマシンの原型です。
1926年に渡米し、ニューヨークでダンサーたちのケガや不調を回復させたことで一般の人にも広まりました。ピラティス氏はこのメソッドを「コントロロジー」と名付けます。死後は弟子たちによって世界中に伝わり、現在のピラティスにつながっていきます。

目的

もともとケガ人でも寝たままできるように考えられた、リハビリのためのエクササイズ。身体に負担をかけずにインナーマッスルを鍛え、体幹を強化するのが目的です。同時に、骨盤や背骨など骨格の偏りやゆがみを整えていくことも重視します。筋肉や骨に意識を向けて正しい身体の使い方・姿勢を身に着け、ケガの予防やパフォーマンスの向上に役立ちます。

内容

ピラティスの呼吸は、鼻から吸って口から吐く「胸式ラテラル呼吸」。横隔膜、腹横筋、骨盤底筋といったインナーマッスルを使って、肋骨を上下、左右、前後などあらゆる方向へ開きます。身体の動きに呼吸を合わせて正しい姿勢で正確に、なめらかに流れるように動いていきます。また、上記3つの筋肉に加え、脊柱起立筋、腸腰筋を合わせた5つのインナーマッスルを意識して、安定した体幹を作ります。マットで寝たままできるものが多いですが、ヨガも参考にしているのでヨガのポーズと同じようなエクササイズもあります。

効果

胸式ラテラル呼吸は交感神経に働きかけ、心身を活性化させる効果があります。とくに大きな効果は、体幹のインナーマッスルを鍛えること。アンバランスな骨格を正しい位置に整える姿勢改善効果もありますが、それは体幹を強化することで維持しやすくなります。ヨガを参考に作られていますし、インナーマッスルへの意識が内臓機能を整えるなど似た効果もあります。

ピラティスに向いている人

リハビリのために考えられたピラティスは、寝たままできるエクササイズが豊富。安定した姿勢で行えるので、運動経験がない人、体力がない人、高齢者でも安心です。
積極的にスポーツをしている人にもおすすめです。スポーツをしている方の中には、アウターマッスルは発達しているのですが、インナーマッスルが疎かになってケガをしやすい人が多いからです。以前からアスリートのパフォーマンス向上やケガ予防にピラティスが活用されている事例もあるようです。球技など偏った身体の使い方をする人、姿勢が悪い・骨格のゆがみ・偏りがある人のバランス調整にもよいでしょう。

ピラティスとヨガ、どちらを選べばいい?

それぞれに違いがあるので目的に合わせて選ぶのもよいですが、一概に身体が硬いからヨガ、腹筋がないからピラティスとはいかないもの。
今回紹介したような違いはまず把握しておくとして、インストラクターとの相性やレッスン内容にもよるので、両方体験してからどちらを続けるか決めてみるのもよいことです。

事前にヨガとピラティスの違いについて知ることで、おおよその目安になると思います。あとは実際に体験して、自分に適したトレーニングを選びましょう。

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